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□□ へっぽこ店主の日々雑記 □□2012/01/29
ちょっと前に横浜シネマジャック&ベティで「CUT」を見てきた。

ひとことで言えば、頭のおかしい映画(笑)。
映画という芸術にとりつかれた映画監督が、商業主義に走ってる映画業界に見せつけるように、映画のためにひたすら殴られる映画。
ああ、クレイジー。

もうね、これは監督から観客への挑戦状だと思いました。
映画ファンの情に訴える作品。
映画好きが共感できないわけがない。
だからこそ、映画が好きな私たちは厳しくこの映画を見なくてはいけない。

そう、たとえ、西島秀俊が殴られてボロボロになったのを見て、思わず手を差し伸べたくなっても、じっと我慢しなくてはなりません!
情にほだされたら負け!
劇中の常盤貴子のようにハッと我にかえるべし。

あと、ブレッソンの「少女ムシェット」を主人公が自身の体に投影するシーンがあるんだけど、ここで主人公や監督といっしょになってナルシスティックな自分に酔ってうっとりしてもダメです!
ムシェットの気持ちと同化したら負け!

そして、ラストの100本連打。
映画のために、正しくは残りの借金を返すために、主人公は100回殴られます。
ぼんやりしていく意識の中で、1発殴られるたびに、映画1本を思い浮かべる。
映画のために殴られるのです。

この時、スクリーンには映画の英語タイトルと監督名がクレジットされるんだけど、まあ、映画ファンとしては条件反射で英文を目で追って邦題を考えちゃいますよね。
で、見ているうちに、殴られる刺激と名画の魔力が融合して、なんだかわからないけど、感動してしまうわけですよ。

あれ?私メルヴィルのためなら1発くらい殴られてもいいかも?なんて思ったら完璧に負けです。

監督に完敗。

決して見ていて面白い映画じゃない。
でも、映画に対する常軌を逸した情熱をストレートにぶつけてくる作品。
その情熱に打たれるのは理屈じゃない。
映画をお金に換えるということは、映画のために魂を売るということは、こんなにも痛いのだと感じさせてくれる1作。


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