わが谷は緑なりき
HOW GREEN WAS MY VALLEY

(1941米/監督:ジョン・フォード/出演:ウォルター・ビジョン、モーリン・オハラ)

ジョン・フォードという監督はどうしてこんなに直球勝負の映画を恥ずかしげもなく堂々と撮ってしまうのか。こんなに大らかで楽しくて正義感にあふれていて、しかも甘くない、こんな映画を軽々と撮ってしまう監督っていったい何なんだろう。ジョン・フォードという監督そのものもそうだが作品自体もスケールがケタ外れに大きい。ウェールズの炭坑が舞台なのだが、煉瓦で出来た小さな谷の美しいこと美しいこと。人間ドラマも様々で、父と子、母と子、兄と弟、男と女、炭坑主と労働者、子どもたち、たった2時間の映画にこれだけの物語がゆったり収まっている。また、子役のロディ・マクドウォールが腕白で見ているこちらまで元気になる。

 わが谷は緑なりき


我輩はカモである
DUCK SOUP

(1933米/監督:レオ・マッケリー/出演:グルーチョ・マルクス、チコ・マルクス、ハーポ・マルクス)

マルクス兄弟の最高傑作。レモネード売りをからかって、帽子を投げて遊ぶ芸の巧みさ、ぶち抜きの壁で相手を真似る鏡のシーン、オートバイのエンジンをかけるたびに残されるサイドカー、などなどお笑いのバイブル的映画。

我輩はカモである


我が道を往く
GOING MY WAY

(1944米/監督:レオ・マッケリー/出演:ビング・クロスビー、バリー・フィッツジェラルド)

なるほど「ゴーイング・マイウェイ」という流行語は、この映画が語源であったかと感心した。まったく型にはまることなく、悠々と無邪気にクロスビーは老いた神父の気持ちをほぐしていく。悪ガキたちには野球を教えるように聖歌を指導し、家出娘には自作曲の弾き語りで説教をする。こんな素敵な神父がいたら、教会は大繁盛まちがいなし。とぼけた顔で心憎いことをやってのけるクロスビーは、下町の頼れる兄貴といった感じ。これでオスカーをとったスターには見えないところがいい。

我が道を往く


若者のすべて
ROCCO E SUOI FRATELLI

(1960伊/監督:ルキノ・ヴィスコンティ/出演:アラン・ドロン、レナート・サルヴァトーリ)

はやくもヴィスコンティ・カラーに染まったモノクロ長編。5人兄弟のエピソードを一人ずつクローズアップしつつ話は進む。若すぎるアラン・ドロンが、ばりばりのヴィスコンティ・メイクで登場。彼の演じる三男は、争いごとを好まぬくせに家族のためにボクサーになる、という自己犠牲的な役。これが意外に似合う。

若者のすべて




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